【ダイアリ】奇面館の殺人(上)とか。

電子書籍の場合、上下巻に分かれている必要性がない。
なにせ10冊以上のシリーズが合版本として1冊で出版されているのだ。

上下巻に分かれている場合、紙書籍がベースにあるからそうなっている。
上下巻、上中下巻、それ以上は数字を振って分冊していたりする。
これは文庫本だと分厚くなりすぎるから。
分厚くなりすぎると、読みづらくなるから。
だから読みやすい分厚さになるように、分冊にする。
あとは、出版社の『販売戦略』なんて要素も少なからずあるのかな。

紙書籍では、内容を楽しむだけではなく、その『分厚さ』を制覇したという満足感も読書をする楽しみのひとつだったように思う。
僕もあまり読書に慣れていない頃は、長編小説でもなるべく薄いものを選んでいたように思う。

書店で書架をさらりと流し見しているときなんか、京極夏彦さんのところで『なんじゃぁこりゃぁ』となるのはお決まりか(笑)

慣れてくると、徐々に分厚いものも平気になってくる。
分厚さの平気ラインが上昇するのだ。
しかし、その『平気』のレベルアップにも限界がやってくる。
これ以上分厚い本を選ぶのはかなりの勇気がいる、というラインである。

そのラインを超える『超分厚い本』は本屋さんで目にするのだけれど、やはりなかなか勇気ができない。
だから、しばらくはそれよりも薄い本を選んでしまうという状況が続くのだ。

しかし、そうやって何度も目にするたびに『いよいよ挑戦してみるか!』という気持ちが芽生えるのである。

『挑戦』
これは電子書籍にはあまり感じられない要素かもしれない。

まぁ確かに、いったい何と挑戦してるのだろうか、ということなんだけれど(笑)
読書は内容を楽しむものなんじゃないの、と言われればそれまでなんだけれど(笑)
まぁ、細かいことはいいではないか(笑)

紙書籍の場合、そういった見た目から導き出される要素も、読書の大きなポイントであった。
そして、やがて僕はその頂に到達するのである。
京極夏彦さんのいわゆるブロック本を制覇すると、どんな紙書籍を見ても、もう物怖じすることがなくなるのであった(笑)

奇面館は、上巻で、事件とその疑問点、ミステリならではの制約条件などの基本事項がセットされる。
いわるゆ物語の設定が説明されるのだけれど、あっという間に『下巻へ』のところへ到達してしまう。
ちなみに、京極夏彦さんの名前を出したけれど、奇面館は『館シリーズ』なので誤解なきよう付記。
館シリーズにはもっともっと分厚いものが存在するので、それすらも平気で読ませてしまう大御所作家さんの実力なのだ、そりゃあ奇面館も短く感じてしまうスゴミ!!
(2020.05.13-nonora.typewrite)