磯部流武士道に見るすばらしきかな人生観!!

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タイトル【磯部磯兵衛物語 第1巻】
作者【仲間りょう】
何か?【漫画】
お値段【400円+税】
売ってるとこアマゾン楽天、書店など】

磯部磯兵衛物語いそべいそべえものがたりは立派な武士を目指す一人の男の人生を描いた、知る人ぞ知る集英社編集部が世に送り込んだ時代活劇譚である。
時代は江戸、主人公の名前は磯部磯兵衛いそべいそべえという。
彼は立派な武士になるという高い目標を掲げ、日々の鍛錬の中を生きる青年である。
本作はそんな彼の日常を切り取り、短編あるいは短編連作の形式で展開される。

まず最初に目に飛び込んでくるのはイラストであろう。
ジャンプコミックスと言えば、そうそうたる大御所作家さん達が現在の漫画界の原型となるイラストの形を打ち出してきた。磯部磯兵衛物語の著者・仲間りょう氏はこの流れのままにいくこといさぎよしとしない。喜多川歌麿、葛飾北斎、東洲斎写楽などがその人生を賭して一時代を築いた『浮世絵』を原型とした斬新な切り口で筆を躍らせるのだ
確かに、好き嫌いが分かり易く二分するタイプのイラストだとは思う。
ジャンプコミックスらしさ、というものを求めるのならば、その要望には応えないものとなっているのかもしれない。
しかし、この物語のとりこになった読者の中には、最初はこのイラストが好きではなかったという者も少なくなかったことだろう。
かくいう僕がそうなのだ。
最初、まさか「ジャンプがこのようなタイプのイラストの漫画を出すとは何事か!」 大御所作家さんたちが築き上げたきたジャンプらしさをまずしてまで世に送り出された作品とは一体どのようなものなのか。集英社はそんなに新人作家の発掘に困っているのだろうか。
どちらかと言えば、そんな否定的好奇心が理由で本書を手に取ったものだ。
しかし、第1巻を開き、1ページ目左下のひとコマを見た瞬間(目次の次のページ)、そんな動機などあっという間に消し飛んだ。たったの1ページにて僕の心は『この青年の武士道に触れてみたい!』というワクワク感に支配されてしまったのである。
そして、本書第1巻を読み終えた時に感じた、心に温かく広がる充足感は一体何なのだろうか。気が付けば最初から好みのイラストだったような気にもさせるではないか。
もっともっと彼の物語を知りたい。
一種の中毒性とでも言おうか、【磯部磯兵衛物語】には不思議な魔力が宿っている。そんなふうに思ったものである。

さて、では第1巻の構成内容を、ネタバレにならないようにざっくりと紹介して、本項の結びとしたいと思う。
約150ページの中に16話の短編が詰め込まれている。
まずはこの物語の中心的存在となる登場人物たちと出会うことになる。それぞれ実に短い物語なのだが、その一人一人がどのような人格者なのか、非常に分かり易く的確な視点で描かれている。
同時に、この物語を最後まで覆い続けることになる世界観の提示も、見事に完了させている。
著者・仲間りょう氏はほんの数ページにて、稀有けうな創作センスの持ち主であることをあっさりと感じさせるのである。
実に憎い。
天才と言っても良いだろう(表現の自由)。

さて、江戸と言えば社会にとどろく有名人が多々存在する。そんな大人物達が登場するのもこの物語の面白さのひとつのポイントである。
徳川家康をはじめ、徳川一家。葛飾北斎。宮本武蔵、松尾芭蕉、平賀源内などなどそうそうたる面々である。
これほどの大人物達が登場する物語なのだ。大河ドラマもかくや、その深みや世界観の広がりは想像して余りあることだろう。
そんな作品に臨むのである、真剣でいてある程度高い心構えが必要である。
いわば本書を読むと言うことは、著者と読者の真剣勝負なのだ。
背筋をピンと伸ばし、緊張感を以ってページを開いていただきたい。

【本項のまとめ】
きっとその背筋は、本を閉じるとき、ふにゃふにゃになっていることだろう(笑)
もぅ、ふざけないでよねっ、本項も磯部磯兵衛物語も♪

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