集中力はいらない~森博嗣、珠玉のエッセイ~

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タイトル集中力はいらない
著者森博嗣もりひろし
何かエッセイ
お値段800円+税
出版SB新書(ソフトバンククリエイティブ株式会社)2018年3月15日初版
売ってるとこアマゾン楽天、書店など】


僕が尊敬してやまない大作家・森博嗣さんの最新エッセイ。
テーマはタイトルのとおり、集中力。
ただし世に氾濫している『集中力の大切さ』をうたうものではありません。
その逆、集中力を持とうとすることが、如何に僕達の生活にデメリットをもたらしているのかを説いています。

集中力が大切である、ということを無条件に神格化するに至っている僕達。
家庭教育や学校教育、就職して以降もずっと【集中せよ】と言われ続けることで、『集中力は超重要』との認識が固定観念化してしまっています。
固定観念化してしまっていることにすら、まず気づくことはありません。

『なぜ集中した方が良いのか?』
『集中する事って本当に大切な事なのだろうか?』
などと疑ったことがある人がどれだけいるでしょうか。

かくいう僕こそ、集中力がなく、それが僕の大きな問題点だと考えていました。
このブログもそうですが、僕はとにかくパソコンのキーボードを叩き、文章を捻出するという作業が多い人生を送っています。文章に抵抗がないからかプライベートメールも長め(笑)

たとえば、僕はタイピングソフトなどの測定では1時間に12000文字打てるという結果を得ています。

もちろんタイピングソフトなので文章を考えることもなければ、漢字変換などの必要もなく、さらにミスタイプした場合もデリートせずに続けて正しいキーをすれば良いという仕様。なので実際、テキストに文章を書く場合はもっと少ない数値となります。
当ブログのエッセイなどの文章は1時間に3500~4000文字程度。競馬の予想記事などはたいして頭を使わずに書けるので、もう少し伸びると思います。
この生産性で文章を捻出できれば、たとえば1カ月に生産することができる文章量は相当なもので、そうすると他に色んなことに時間が割けるようにもなります。

しかし、現状、てんやわんや。

というのも、ただの1時間とて集中していらないことしばしばだからです。
これにはほとほと困っていました。
たとえばブログにしても、記事はたいてい1000~2000文字程度ですから、理論上30分もあればブログにアップすることが可能なはず。
可能なはずなのですが、何時間もかかってしまっていることしばしば。それは500文字程度書いたら、そわそわと他のことが気になってしまうからに他なりません。

そのため『集中するための環境作り』『集中するためのルーティン』『集中するための音楽』などなど様々な模索を繰り返し【集中力の高い自分】の完成に向けて尽力してきました。しかし結果は燦々たるもので、何をしようとも【集中力散漫な自分】の強硬さを突き付けられるばかりでありました。
工夫しようとすればするほど、そこまでしても集中力が10分程度で途切れてしまう。もはや『打つ手なし』の白旗に到達するに至り、諦めの境地にありながらも、まだ『集中せねば!』という意識に縛られ、窮屈に生きていたわけです。

そんな折でした。尊敬してやまない森博嗣さんの新刊のタイトルがなんと【集中力はいらない】
他のどんな予定も後回しにして、読みましたとも♪

『集中しなければならない』『集中することは良いことだ』という固定観念に縛られていた自分を俯瞰することができました。
今一度『なぜ集中することが良いことなのか?』と問われたとして、そう思えばこの問いにキチンとした回答を出せない状態であったことに気づかされます。

文字を書く作業というのは、椅子に座り、液晶画面を見続け、脳内で思考をめぐらせ、思いついた言葉を文章化するもの。この作業スタイルからして『集中力がなければできないこと』のように思えてしまいます。
だから僕は最低でも8時間くらいは集中して文字打ちが続けられればなぁ、という思い常々抱いています。
もちろん8時間くらいならば椅子に座り続けることはできますし、時には10時間以上文字を書き続けることもあります。
しかし、そこに継続性はなく、次の日には500文字程度書いたらインターネットを開けたり、お菓子を食べ始めたり、コーヒーを入れに行ったり、本を読み始めたりなどなどその場でできる限りの別のことを見つけては『主目的である、文章を書く』ということからは遠ざかってしまうのです。
結果的に8時間座っていたとしても目的の文章作成に費やした時間は2時間程度などという場合もよくあること。
2時間集中して書ければ、残りの6時間は他のことに費やせると分かっているというのに……。
この非効率をなんとかしたくて、僕は『集中力向上』に固執してしまっていたわけです。

本書『集中力はいらない』の中には、このような意識散漫な性質を受け入れ、それに合った方法を取るということを教えてくれます。
1つのことに集中せずに、いくつかのことを並行して行うという意識転換。
『ブログ記事集中』に固執していると、意識散漫になって手を出すことと言えば、予定にない特に意味をなさない時間つぶしにすぎないことばかり。
ならばあらかじめ『集中力は続かない性質』という前提でもって、ブログ記事作成時に、他のいくつかの予定も組み込んでおく。もちろんカッチリと予定化してしまうとそれに対しても『集中』の必要性を感じてしまい結局、全く別のことをしようとしてしまう可能性がある。だから主目的はあくまでも『ブログ記事』、それに『もしも気が向いたら』という予定をいくつか用意しておくと、これが結構すんなりと取り組めたりするもので。

その他にも『集中すること』の認識違いやデメリットなども論理的に説明されているので、読む人が読めば『ハッ!』という驚きがあるのではないでしょうか。
あれもこれもしたい、と集中できないことに窮屈さを感じながら生きている人にはおススメかもしれません。

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