自分の作文力を知ることで、逆算が可能となるんだよほ

エッセイ/essay

自分の作文力を知ることで、逆算が可能となるんだよほ

作文の要素を大きく分けると『量』と『質』になる。
『量』については誰にでも共通の文字数という単位で表現できる。
『質』については誰かの文章と比べてどうなのか、というものではなくあくまでも自分比である。自分に創出できる何割程度の『質』の文章なのか、ということ。

『質』の高い文章を、どれくらいの『量』で生産できるのか。これを時間で割ったものが自分の作文力と、僕は考えることにしている。

以前、僕は1時間に4000字程度の文章を創出できる、と考えていた。ただそこには内容を考えたり推敲をする時間は入っていなかった。つまり文章の『質』の調整が行われていない数字というわけである。
もしも『質』をさらに落として、ただひたすらに文章を繋げるだけの作文を行えば、1時間に7000字も8000字も打ち出すことができるだろう。それで出来上がる文章はきっと1文と1文の繋がりが支離滅裂なものになっているに違いない。
要するにこれは『質』を無視した数値であり、これを作文計画目標などの基準にしてしまうと最初から完成予定日に合わない計算になる。これでは計画から細かい制作過程を逆算することができない。

このことから『量』と『質』の数値化は両者をくっつけた状態で考えなければ意味がない。
どうすれば良いのかと言えば『完成文を制作するのにどれくらいの時間を要したのか』で考えることである。

たとえば僕の場合、ある物語を書こうと思ったとする。
まずどんな物語を書くのかプロットなどを考えなければならない。これは車を運転している時にふと思いついたり、他の作業をしている時に思いついたりと、プロット制作時間内にだけ限定できるものではない。だからここの時間換算は漠然としたものとなるため多めに見積もっておく必要がある。作業全体の10%~20%くらいかな、という感じである。

次に第一原稿を書くわけだけれど、1時間に3000文字程度の打ち込みにすると、そのまま完成形として残る文章が6割強くらいキープできる。これ以上の生産量を目指すと、結局完成形として残せる文章の割合が減っていくので、推敲に膨大な時間を要することになって逆効果となる。ここは作業全体の40%くらいかな。

次に推敲をするわけだけれど、推敲は第一原稿と同等か、それよりも時間を要することになる。これは第一原稿の出来に左右されるため結果的にはやく終わることもある。しかし、見積もりの最大値としては第一原稿と同等の時間を用意しておくことがベターなのだ。だから、これも作業全体の40%くらいだろうか。

最後は再確認作業など最終仕上げの時間も組み込んでおく。これはさほど時間を必要としない。作業全体の3%~5%くらいかな。

これらを総合すると、第一原稿の生産量が1時間に3000文字。推敲には同等の時間を要するため生産量は半分の1時間に1500文字となり、さらにプロット考案や最終確認の時間分を引いて1時間で1000文字前後の生産量ということになる。

1時間に1000文字。これが今の僕の最も生産性が低いパターンの基準となる。
もちろん書くものが何かによってはその生産速度に大きな違いがある。日記のような文章は特に早い、エッセイも内容によってはものすごく早い。
しかしどのような種類の文章であれ、あくまでも一番低いパターンでの基準で考えておけば「おかしいな」などと後から遅延について不思議に思うことがなくなるのである。

現在、僕は20万文字程度の作文に取りかかっている。よって作業全体で200時間を見込む計算になる。第一原稿はほとんど終わっているので、残りの作業は100時間程度かな。生活に大きな出来事やら変化などがなければ年内には完成予定ではあるのだけれど。

October.2022 / written by K.Mitsumame

 

 

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