ストレスの正体については、脳科学や生理学などの学術的な見解が述べられたりするがそんなものを僕は求めてはいない。
僕が求めているのは原理や原則を見出すに至った研究経緯などではなく、ストレスを無くす結果のみである。スマートフォンがほしいからと言って、どのような基盤や内部構造になって動作しているのかなんて知りたいとは思っていないのと同じことだ。
僕はこういう無知でも利器にあやかれる感覚を、ストレスの対処に関しても同様に望むのである。
研究者の方には是非頑張って頂きたい。尊敬しております。
ここでは学術的な見解ではなく、僕の無責任で薄っぺらい観測を元にストレスの正体を勘案してみようと思う。
そもそも『ストレス』という言葉はあらゆる現象をたった一つに纏めた記号である。つまり、抽象的であるから、多少具体的なものに表現し直す必要があるだろう。
そこで実際にストレスを感じるシチュエーションをいくつか挙げ、その共通点を抜き出すことにしてみる。
1、休みが少ない
2、休みしかない
3、上司が理不尽を言ってくる
4、部下が仕事を舐めている
5、旦那がソファで横になっている
6、税金が上がった
7、ユーモアが伝わらない
8、その他
ストレスを感じるシチュエーションは間違いなくこの8つのどれかに属しているものだ。
【休みが少ない】というのは言い換えれば、やることが山積していて、てんやわんやな状態。もう一人の自分がほしい、などという幻想を抱きたくもなろう。
確かにこれはストレスフルだ。
しかし「私、皆から引っ張りだこなの💛」と聞かされる暇人にしてみれば「ダ・マ・レ!」という気持ちで一杯になる。暇人とてストレスフルなのである。
よって【休みしかない】という人もストレスフル。
このことから『休みがあろうとなかろうと人はストレスフルになる』ということを導き出すことが出来た。
となると【休みが少ない】という状態と【休みしかない】という状態の中間地点こそがストレスを感じないベストプレイスに違ない。
つまり、それは『仕事で休む』ということになる。
営業マンならばパチンコに、そうでない者はトイレにこもれば良い。同僚がシャカリキに働いている間、自分も同様に働いているのだと思わせておいて、実は休んでいるという愉悦に浸れるこの感じヤバイ。
しかしながら、これによりストレスを感じなくなるのかというと、そうではない。世の中甘くはないのだ。
というのも、仕事場に行けばどうしても【上司が理不尽を言ってくる】という事態が発生してしまうのである。
これは、視点を変えてみれば、不満を抱きながらもその人のことを『上司』であると認められているところが実に素晴らしい。
僕ならば【クズヤローが理不尽を言ってくる】としか思えなくなるところだ。
そう思うと【上司が理不尽を言ってくる】などと不満を言える人が素晴らしい人格者に思えてならない。
見習いたいところだが、正直者で嘘をつけないピュアフルな僕にはできそうもない。
一方【部下が仕事を舐めている】と不満を口にする上司もまたストレスフルだ。
上司とはいえ所詮は会社の犬なのである。主様からチームで完遂すべく仕事命令を受け、それを実行せねばならないというのに、部下が思うように動いてくれないのだからイライラもするだろう。
だが、今一度よく考えてみてほしい。
そのストレスは本当に部下が思うように動いてくれないからだけのものなのだろうか。
僕はそうは思わない。
たいていの上司は家庭では嫁に蔑ろにされ、居場所がない。だから、せめてもと仕事場に居場所を確保しようというあさましい魂胆に支配されている。
職場をエデンの園に!!
あほかっ。
そんな私情がゆえ『思い通り』のハードルを果てしなく上げてしまう。これでは『部下が仕事を舐めている』ような気がしてしまうのも無理はない。
でも、部下は仕事を舐めているわけではないのだ。舐めているのは『上司』のことだ。上司は部下をとやかく言う前に、自分にこそ舐められる落第点があると認め、受けとめるくらいの度量を持つことに、努力を注いでみたらいかがでございましょうか。
このようにストレスの種類には、家庭で嫁に転がされるがあまり『職場に居場所を求める』という形で、ストレスの原因を別の場所に移動させようとするものもある。
これを転嫁という。
うまいっ!!
では、嫁の方はどうなのだろうか。旦那の心身を掌握して、それでほんとに満足しているのだろうか。
残念。そんなことは有り得ない。
嫁は嫁で、思い通りの社会的成果を挙げない旦那にストレスフルなのだ。
ほんのちょっとした手仕草や脱ぎ捨てられたパンツを見るだけでイライラが募る。否、酷い場合は洗い立てのパンツであろうとも八つ裂きにしたくなるともいう。
もう旦那の下着はオムツにしたい。
というのが嫁の本音だ。
けれども経済的ではないため、実行に移せないのである。
経済的成果を出さないから旦那のパンツがムカツクのに、経済的な負担をかけられないからオムツにできない。嫁はかくも板挟みなのだ。
嫁がこれほどの悪の循環の中で強く生き抜いていることを世のどれだけの旦那が知っていようか。
オムツ業界がこの斬新すぎる着眼に気付き『格安!!旦那専用オムツ』を開発・量産してくれることを切に願う。
では、なぜ嫁はそこまで旦那に不満を抱くようになるのか。
その要因の第一が、旦那の休日にある。もはやイライラは爆発寸前。
嫁は『旦那の妻』という職業についているがゆえ、離婚しない限り二十四時間労働態勢なのだ。
昨今、国会では『働きすぎ!』をキーワードに労働法の見直しが取り沙汰されている。しかしながら大企業の労働体制をモデルにするばかりである。そんなだから、あーだこーだと机上の空論を論っては満足しているように見えてしまう。現場の生の意見に耳を貸すことなく言い合っているのだからこればかりは仕方がないのだろう。
しかし、もしも国会が現場の意見に少しでも耳を傾けようとすれば、世の嫁達が大挙し国会前に押し寄せることだろう。
そして日本の中心で叫ぶのだ。
『24時間労働体制反対っ!』
採用即決。
労働法第二千五百六十三条二百五十六項【嫁は、旦那乙の嫁であることを週5日とする。残り2日は独身である】
わーい♪
閑話休題(笑)
残念ながらそんなことは夢物語である。
嫁の実際の意見はこうだ。
「自分が全然休んでいないのに何をのうのうと休んでいるのか、ムカツクー!」
週末になるとダラダラとソファでくつろいでしまう旦那には是非、休日返上の副業(エデンの園♪)を見つけることをおススメしたい。あるいは先ほど僕が掲げた労働法改正案を嫁と共に叫んでほしい。そしてここぞとばかりに清き一票を、である。
よくよく考えてみてほしい。
これは旦那にも多大なメリットがあるのだ。
嫁が週休2日で独身に戻るということは、旦那はどのような状態になっているのか。その巨大なメリットが見えてきはしないだろうか。
もしもだ、幸運なことに巨大なメリットが見え、歓喜のあまり叫びたくなったとすれば、夫婦不和の原因はあなたの愛情不足だーっ!! 反省して嫁に世界一周旅行をプレゼントせよっ!!
さて、国会前で24時間労働体制反対運動が起きたとして、その時国会内がどうなっているのかと言えば、増税の改正案が可決しているのである。
なんてタイミングっ!!
この【税金が上がる】というのもストレスフルに直結する。
たいていの場合、税金が上がるという情報とセットで見せつけられるのが国会議員のコメントである。
「もー、お金ないんだから仕方ないじゃないか」ということを、議員自身でも理解できていないであろう難解で長ったらしい文言でメディアの突撃をテキトウに流すのだ。その傲岸不遜な態度は、なかなか堂に入ったものである。才能。
僕達は『公共』という名の整備された社会の中だからこそ今の生活が維持できていることを知っている。その公共の維持に幾ばくかの資金が必要なことも当然理解しているのだ。
警察がいるから治安の良い夜道を闊歩もできるし、その道は平らで実に歩きやすい。ゴミであふれ返り不快な臭いが漂っているということもない。直接飲めるほど綺麗な水源は確保され、女性が体内から美しくなれる社会だ(マジでかっ!)。
とはいえ「税金を払うなんて当り前さぁ☆」というおおらかな心持ちであり善良な庶民であるところの僕達とて、議員の不祥事であったり、無駄遣いの実態をメディアを通して伝えられればムカっとくる。
その上で「税金上げるからね、テヘペロ」などというクソオヤジの茶目っ気を見せられてもうれしくもなんともないのである。
許せない。
あっちでもこっちでもストレスフル。
もはやストレスの押し付け合いが常態化していると言えよう。
笑えない。
いやいやイヤイヤ、そんな時こそ笑えばええぢゃないか。
最期に、僕が最も声を大にして言いたいストレスの原因が【ユーモアが伝わらない】ということである。
なんでかなぁ。こ~んなにもユーモアなのに。
「つまんな~い」
「ねむっ」
「えと、よくわかんない。読んでないし」
って何だっ!
僕以外の人全員、面白くなくても笑える度量を持ってほしいものである。ただし僕の文面に対してのみでよろしい。他の人の文面がたとえものすごく面白かっとしても、その場合は本来の全然笑わないあなたのままでいてください。お願いいたします。
残されたストレスフルな状況は【その他】である。
えーと、まぁ各々考えられたし(笑)
【後半へ続く】
(written by K.Mitsumame)
コメント