韓国探訪記②~蠱惑編~

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 韓国は釜山の二日目からはお仕事開始です。が、その前に、この記事は過去記事なので、韓国で最も記憶に残った記事を序盤にご紹介したいと思います。
 そう【カジノ】です。
 カジノとはいかなるところなのか?!
 それではカジノの一部始終をお楽しみください♪
 はじまりはじまり~(‘ω’)ノ

 はてさて、お先にお申し上げさせていただきまするに、今回の記事に写真はございません。
 なぜか。
 カジノでは写真撮影が禁止だからです。
 写真御法度ごはっとってば!!
 恥ずかしがり屋さんかっ、カジノめっ!!

 これに良く似た恥ずかしがり屋さんに法廷があります。僕たちは法廷の恥ずかしがり屋な部分をよくニュースの法廷画で見せつけられます。
 それならば、もしかしたらカジノにもカジノ画家なるものが存在しているのかもしれない。そう思った僕はカジノ内部にて絵を書きそうな人を探しました。
 が、どの人を見ても、

(*$ω$*) 

 みたいなマジな表情の人達ばかりで法廷画家らしきベレー帽に絵筆持参の人はいませんでした。
 仕方がありません。ならば僕が書くしかあるまい。もはやそんな選択肢しか残されていませんでした。
 しかしながら、
 残念なことに、
 僕もまた、

(*$ω$*)

 な、顔になってしまっているらしく、カジノ内部の俯瞰図ふかんずを記憶するどころではない。

 結果、カジノ場を出てのち、あわい記憶を辿たどって思い出されることと言えば、ルーレットがぐるぐる回り目が回り、トランプがペラペラと裏返うらがえされひらを返され、ディーラーが僕を冷たい瞳で見下してくる地獄絵図。そんなもののために絵筆を取って一体何を伝えらえれましょうか。色々伝えられそうだけれど、それは本意ではない
 そんなわけで、今回、視覚的情報を提供することができないこと、まずここに謝罪致します。
 ミヤナミダ♪
 では、本意は何なのか。
 そうであります。文筆家は文筆家らしく、文字だけで伝えるが良き作法かな。
 それではこれより、主観100%のカジノの印象を一次元にて披露致ひろういたしましょう。

 カジノ場は韓国にいくつもあるそうです。そのうち僕が行ったのは、荘厳無比そうごんむひたる5ツ星・ロッテホテルの二階。
 つまりは当然、そこに至るまでにまず泊ってもいない、またその予定もお金もない状態で、ホテル入り口にてりんとしたたたずまいでいらっしゃるコンシェルジュのお迎えのお言葉を受けねばなりません。
 かつて『右から左へ受け流す』天才として勇名を馳せたダンディーだかムーディーだか勝山だかアップルティーだかの冠名を掲げたあの御人ごじんのように、コンシェルジュのさげすみに満ちた視線と愛想だけのお迎えの言葉を、心の綺麗なだけの僕に受け流すことができるだろうか。
 不安で仕方がない。
 しかし竜門通りゅうもんとおらざれば賭道とどういたらん』ということわざにも似た僕の即興語録今考えたが示すように、避けて通れぬ道。
 結果、ウヒヒヒ的な卑屈な笑みをダダ漏れにしながらコンシェルジュの猛攻を受け流し、それでいて目だけは絶対に合わせぬようにエントランスへと。
 さらに立ちはだかるはあまりにも大きな扉。さすがは五つ星ホテル。どうやら、あの有名な漫画に登場する進撃してくる巨人をも宿泊させてあげたい、などという驚愕の博愛精神がそこに見て取れる。扉からはこんな声が聞こえてくるようでした。
『ワタクシどもはお客様を差別致しません、あなた以外は
 ぐぬぬ。しかし突き進もうぞ、茨の道、果ては天竺。
 その扉は建物の全てが高級であることを証明するかのように重厚じゅうこうである。身体の重心で押すようにして開くと、なるほど、溢れ出てくるは一瞬にして身を包み込む暖気だんき。それは世界がロッテホテルの内外で明確に分け隔てられていること思い知らすかのように、寒暖の境目かんだんのさかいめを突き付けてくるのだ。確かに『温室育ち』などという言葉が示すように、暖かさは裕福さや高貴さを示す。僕は自分がいかに冷たい世界の住人であったのかを理解した。そう、そのことを改めて自覚させるために、建物はあったか高潔設計こうけつせっけいであったのだ。
『身分をわきまえよ。くれぐれも無礼のないように!』
 そんな無言のメッセージを入館証代わりに、僕は温もりの園へと。
 エントランスは当然のごとく大理石。そこを進むとのコントラスト。その色は『高級』を否応なく連想させる。それが、そこかしこに散りばめられている。
 天井は高く空間は無駄に広い。床は毛足の長いふかふか絨毯じゅうたん。コーヒー牛乳をこぼすことなど微塵みじんも考慮されていない。信じられない大胆さがそこに見て取れる。否、あるいはコーヒー牛乳をこぼしただけで絨毯全面入れ替え可能な財力を誇るというのだろうか。末恐ろしい世界だ。
 かつて『このはしわらずべからず』の看板をちゃんと読むという生真面目さを発揮しながら、橋の真ん中を堂々と渡ったというひねくれ者・一休さんがいた。その精神構造の一貫性いっかんせいの欠如が人物造形の複雑さであり甘さでもある。
 打って変わって精神構造が単純で純粋な僕は『このエントランスとおるべからず』の看板なんてものが無いというのにも拘わらず、そのエントランスの中心を突き進むことをしなかった。素直っ!!
 というか、
 扉を入ってすぐ左がカジノへの道なだけでした。
 そして、かつて見たことがないほどのボタンの数を要する、金色こんじきの扉のエレベーターが立ちはだかるのでした。

 魅惑のカジノ。そこに至るまでの道は険しい。 (後半へ続く)

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