名作短編!! 儚い羊たちの祝宴、野崎まど劇場

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【儚い羊たちの祝宴】
著者・米澤穂信
和の上流階級の雰囲気が漂う時代がかった世界観。
お嬢様、お嬢様!!
5つのブラックミステリーからなる連作短編集。
なんなりとお申し付けくださいませお嬢様!!
それぞれが独立したストーリーとなっているので、前から順に全部読まずとも、好きな順に読んでもヨシ、好きな短編タイトルだけ読んでもヨシ、という感じ。
なかでも【玉野五十鈴の誉れ】には、なんという短編を描くのだろうかと衝撃を受けたことを良く覚えています。このタイトルだけはどれほど時が経ったとしても忘れることはないでしょう。それくらい僕の脳に焼き付くインパクトがありました。
最後の1文。そこに差しかかかったとき、それまでに費やしてきた文章全ての意味が一気に繋がり、ゾワッとしました。たった1文にすべてを集約させるストーリーテリングの手腕はさすが。
米澤穂信さんの描く小説はどれも洗練された上級ミステリーのお色気ムンムン。読んでハズレなし、というくらい僕の感性に刺激を与えてくれます。
米澤さんの小説を読むのは僕にとって至福のひとときなのです。

 

【野崎まど劇場 独創短編シリーズ】
著者・野崎まど
んとなく、『野崎まどさんはおふざけ的な文章を書くと面白そうだな』という雰囲気をそれまでのミステリー作品の中でも感じるところではありました。
しかし、それはあくまでもキャラクター設定だったり、殺人などを扱う重苦しい世界観を和らげる文体的な演出、という感じ、という程度のものでした。
斬新な切り口のミステリー作品を書く作家さんで、実際、集英社のとある編集者が話していたのですが、営業をかけたところすでに11社くらいからオファーを受けている状態だったそうな。この作品が発表される前の話なので、まだあまり売れていなかったため、その編集者は「もっと売れて良い作家さん」と称賛しておりました。
メディアワークス文庫のデビュー作から『2』というタイトルまでの作品を読めば分かるかと思いますが、専門家から高評価を受けてもなんら不思議ではない凄腕の書き手であったのです。
さて、僕は野崎まどさんはデビュー作から読み始めたので、なおのこと【野崎まど劇場】はご褒美でしかありませんでした。オフシーズンのファンサービス的な。
果たしてこの作品から野崎まどワールドに触れる方がいるとしたら、どう感じるのだろうか(笑)
野崎まどさんの『おふざけ成分』のほうをメインウェポンとして仕立てた「なんでもござれ」なこの作品。1タイトルが5,6ページ程度の短編ばかりですから1冊の中にかなりの数のタイトルがぎっしり詰まっています。なかでも、僕は『将棋のお話』と、『科学者とお茶の先生のお話』がツボでした。ヒッグス粒子万歳!! お抹茶万歳!!
野崎まどミステリーを楽しむもヨシ、野崎まど劇場を楽しむもヨシ、両方楽しむと2度美味しい作家さんなのです。
(2019.01.02-typewrite)

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